MOTOマガジン vol.002 Life under the Pandemic
発行日:2022年4月30日
著者・企画・翻訳・絵・発行:吉國元
インタビュー:レベッカ・バビリエ(ウガンダ) "A Foreigner at Home"
バ・アブ(セネガル)"Walking Together"
写真:久光菜津美、吉國元
デザイン:小猿啓太
エディション:100部 (完売)
本体価格:1500円(税込)
レターパック送料:370円 (国内)
MOTO MAGAZINE vol.002 Life under the Pandemic
Published on 30th April, 2022
Text, artwork, translation, edit and publication:Moto Yoshikuni
Interviews:Rebecca Babirye (Uganda) "A Foreigner at Home"
Abou Ba (Senegal) "Walking Together"
Photographs:Natsumi Hisamitsu, Moto Yoshikuni
Design:Keita Kozaru
Edition :100 copies (sold out)
Price:1500JPY(tax included)
Shipping fees:370JPY (only in Japan)
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MOTOマガジン vol.001 Arrival
発行日:2020年3月1日
著者・企画・翻訳・絵・翻訳・発行:吉國元
インタビュー:バ・アブ(セネガル)
写真:久光菜津美、吉國元
デザイン:小猿啓太
エディション:50部 (sold out)
本体1500円(税込)
MOTO MAGAZINE vol.001 Arrival
Published on 1st March, 2020
Text, artwork, translation and edit:Moto Yoshikuni
Interview with:Abou Ba(Senegal)
Photographs:Natsumi Hisamitsu, Moto Yoshikuni,
Design:Keita Kozaru
Edition :50 copies (sold out)
Price:1500JPY (tax included)
2020年3月『MOTOマガジン』創刊
(前書きより)
かつて『MOTO』と名付けられたニュース雑誌がジンバブウェで発行されていた。(1959-2000年代初頭)。現地のショナ語でMOTOは「炎」を意味する。それは情熱と活力の炎であり、当時のイギリスによる植民地主義政策に抵抗する燃える独立運動をも表現していたのかもしれない。南部アフリカの社会史を研究していた若い父がその雑誌を購読していて、後に生まれる僕の名前の由来にもなった。
紙面にはアフリカ諸国の政治経済のニュースを主に、流行りのレゲエミュージシャンのコンサートのレポートや、ローカルなレストラン情報、風刺漫画も掲載されている。読者のお便りコーナーもあり、私の母も道路端でパンク修理を手伝ってくれた名の知れない青年への御礼の私信を、小さな記事で掲載して頂いた事を記憶している。アフリカ都市生活の喧騒と慎ましさが、薄いわら半紙と荒い印刷に封じ込められていた。
しかし独立を経てやがて強権政治へと傾いたムガベ政権と、移り変わった政治状況により、MOTO誌は2000年代初頭に廃刊する。 父は2006年に永眠し、ムガベ(前)大統領は2018年クーデターにより失脚、2019年に大往生の末に亡くなった。
2019年に僕は思い立って僕なりの『MOTO』誌を復刊する事にした。日本で活動をし、それまで記憶を通じたアフリカの体験を絵に描いていたが、より現在のアフリカと、身の周りにある世界も記録したいと思ったからだ。また雑誌という形態の「今を生きる」ような焦燥感にも惹かれた。それは僕が取り組んできた絵画とは異質のメディアであり、より直接的に人と会い、対話する臨場感も魅力であった。
そのような理由で本誌『MOTOマガジン』の内容は日本に暮らすアフリカ人との「世間話」を主とする。故郷のアフリカを離れて暮らすのはどのようなことだろう。世間話としたのは、異国で生きていく事の日常のディテールと手触りを、彼らの声と生活を通じて知りたいと思ったからだ。共にアフリカを想い、また彼らから見た「日本」と呼ばれてる社会についても考えさせられた。僕にとってアフリカは常に「むこう側」にあったが、日本の中にあるアフリカ、本号ではインタビュー頂いたバ・アブさんの中にある故郷セネガルを私と地続きにある場所として捉えたいと思ったのだ。アフリカと日本は地理的に遠く離れているが、決して対極にある場所ではない。
"the voice of the voiceless and defender of the downtrodden” (声無き人々の声を、踏みにじられた人達を守るために)はオリジナルの『MOTO』誌のスピリットである。それに比べて僕のMOTOマガジンはよりささやかで、とりとめないものだろう。声高なマニフェストを掲げるよりは、少なくとも今は足を動かし、絵を描き、寄り道をしながら、聞こえてきた声に耳を澄ませてみようと思うのだ。
吉國元, 2020年3月